学会概要 -理事長挨拶-
理事長挨拶

雑賀 隆史
(愛媛大学医学系研究科泌尿器科学講座 教授)
2025 年11 月の第77 回西日本泌尿器科学会総会(高知大学主催)での理事会にて江藤正俊理事長の後任として理事長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本学会は,1949 年(昭和24 年)に富川梁次九州大学泌尿器科教授と樋口謙太郎九州大学皮膚科教授により創設された“西日本皮膚科泌尿器科連合地方会”を母体として,1966 年には皮膚科と分離し“日本泌尿器科学会西日本連合地方会”,1978 年には“日本泌尿器科学会西日本支部”と名称を変更,2012 年には“西日本泌尿器科学会”として独立した組織になりました。さらに江藤前理事長を中心として法人化に取り組み,2021 年9 月には“一般社団法人西日本泌尿器科学会”となりました。会員は西日本地区のみならず全国の多くの先生方にもご入会いただいて会員数は約1750 名を擁しております。法人化したことにより,日本泌尿器科学会の支部総会を開催している東部,中部とは異なる,完全に独立した事業団体になっております。
また,本学会では機関紙である「西日本泌尿器科」をその前身である「皮膚と泌尿」から数えますと90 年にわたり発刊してきました。学術的にも教育的にも本邦における学会誌の1 つとして大きな役割を果たしてきており,ひとえに我々の先輩諸氏のご努力の結果であることは言うまでもありません。私自身も医師として最初の論文は「西日本泌尿器科」に掲載されており,一方ならず思い入れのある雑誌です。研究の成果を原著論文として本誌に掲載して博士号を取得された先生も少なからずおられると存じ上げます。学術誌としての役割は時代とともに変化していますが,若手医師の論文執筆の登竜門であることはもとより,エキスパートによる和文の総説や総会シンポジュウムのプロシーディングなど本誌の意義は決して小さくはなく,さらに活用,継続させていくことが重要であると考えております。そのため編集部におきましては,より身近な学術誌となるよう,改善に努めてまいりますので,会員の皆様におかれましては本誌への論文の積極的なご投稿と引用などさらなる活用を宜しくお願い致します。
先に申し上げましたように本学会は一般社団法人として会員に資する事業展開ができる基盤体制が確立されました。他の支部にはないこの体制を活かして学術面での充実はもとより,会員へのサービスの拡大充実をはかり,ひいてはさらなる会員数増加を目指す事業を展開していきます。まずは,以前からの最も重要な事業である年1 回秋に開催される学術集会では各大会長を中心とした企画,運営への更なる支援,補助を進め,本学会の良き伝統を踏襲しつつ,学術面や会員交流さらには人材確保により意義深い総会にしていきます。さらに本学会による共同臨床研究支援体制の構築,学生や初期研修医への学会からの直接的活動,教育支援プラットフォーム作成,開業一般医家への各種支援プラットフォーム作成,そして企業,団体からの支援獲得などの新事業展開をおこなってまいります。
理事長就任にあたり,本学会会員が“会員でよかった”,また若い先生が“会員になりたい”学会であるべく益々発展していくように努力する所存ですので,会員の皆様方のさらなるご支援,ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。